ヒノキと紀州材
ヒノキについて
ヒノキ科ヒノキ属の常緑針葉樹。
ヒノキは古くから植林されている樹木です。心材の色は淡紅色で、辺材はほとんどが白色。仕上がると美しい光沢があり、ヒノキ特有の芳香があります。
ヒノキは福島県以南の本州・四国・九州の山地に生息し、樹高は20~30mになります。大きいものになると、高さ50m、直径2.5mになるものもあります。
当工場では末口で10センチから16センチの原木を原材料として使用しています。
ヒノキは建築材として世界トップレベル
ヒノキは神社や仏閣を建てるための木材として古くから用いられてきました。
ヒノキは伐採してから200年間は強度が増し、その後1000年かけて徐々に弱くなると言われています。実際にヒノキで建てられた法隆寺や薬師寺の塔は、1300年経った今も維持されています。
ヒノキは木材として耐久性や保存性が世界最高レベルであり、まさに用と美を兼ね備えた、最良の国産材といえるでしょう。
ヒノキの香りにはアロマ効果がある
ヒノキ風呂、ヒノキ酒器など、ヒノキの香りは多くの人に好まれています。香りの成分はαピネン、ボルネオールという物質です。この他にもヒノキには気分を落ち着かせる効果や抗菌効果などをもつ人間に有用な物質が多く含まれていることが報告されています。
なお、ヒノキチオールはヒノキ科の樹木から抽出される物質で、特に青森ヒバに多く含まれています。ヒノキに含まれるテルペン類はαカジノール、Tムロロールなどです。
紀州材の特徴
和歌山県は、古くから“紀州・木の国”と呼ばれ、豊富な森林資源と、優れた木材を生産する林業地として位置付けられてきました。
この和歌山県で生産された紀州材は、次のような特性を有しているとされています。
1 色合いが良く、つやがでる!
2 目合いが良く、素直な木で狂いが少ない!
3 強度・耐久性に優れている!
紀州材のヒノキの曲げヤング係数の分布は、全体の91.5%がE110以上となっています。
さらに、ヤング係数に対する圧縮、引っ張り、曲げ、せん断といった強度値をみても、全国の基準値を上回っており、紀州材は素晴らしい強度を有しているといえます。